「シミュレーションでわかる
水泳の力学」

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クロール

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背泳ぎ


はじめに
背泳ぎは,4泳法の中で唯一,あおむけで泳ぐ泳ぎ方です. 体の向きが反対のため,ずいぶんと他の泳法と違うような気がするかもしれませんが, 意外にその原理はクロールなどと近いと考えることができます.

推進力の出るタイミング
まず「スイム?スワム?スワム!」で背泳ぎを呼び出しましょう. やり方は クロール のときと同じです. 呼び出したら,推進力(赤い線の水から受ける力の前向きの分)が どのタイミングで一番大きくなるか,手と足それぞれについて調べてみましょう. 調べ方もクロールのときと同じです.

どうでしょうか? 手については,右手だと4.29かきめあたりで最大になると思います. これは手で水を押す「プッシュ」と呼ばれるタイミングです.

足についてはどうでしょうか? クロールのときと同じように, つま先を伸ばしてけり上げる時(クロールの場合で言うとけり下ろす時)に前向きの力,つまり推進力が出ていることがわかると思います. そのため,クロールのときと同じように, 足首の関節のやわらかさが,背泳ぎの時も重要です.

手と足の推進力の割合
クロールの項で見たように, クロールではほとんどの推進力は手によって出ていました. 背泳ぎでも,足が水から受ける力は推進力になったりならなかったりで, それほど大きな推進力にはなっていません. クロールと同じように,推進力の大部分は手で生み出されています.

また,クロールのときと同じように, バタ足の役割についても「スイム?スワム?スワム!」を使って考えてみましょう. ソフトを起動し,背泳ぎを呼び出し, 「じょうけんをかえてシミュレーションする」をクリックします. そして右側の条件の「キックの大きさ(倍)」を見えるようにして, 大きさを 0.5 にしてみましょう. そして「このじょうけんでシミュレーションする!」をクリックして シミュレーションを開始します.

どうでしょうか? 泳ぎの速さは少しだけ遅くなったと思います. ただエネルギーの効率はむしろ少しだけ高くなりました. また,クロールのときには, バタ足の大きさを 0.5 倍にすると下半身が沈んでしまっていましたが, 背泳ぎの場合,下半身は沈むようにはなっていないことがわかります. これは,クロールの場合,足を打ち下ろすときのキックで下半身を持ち上げるような力を生み出していましたが, 背泳ぎの場合には,足をけり上げるときのキックで大きな力を生み出しており, もともとが下半身をむしろ沈ませる向きに力が出ていたためです. このように,クロールと背泳ぎでは, 体の向きが反対なことによって,バタ足の役割も少し違うことがわかります.

~ やってみよう ~
上の例では 0.5 だけでしたが, それ以外の値についてもシミュレーションしてみましょう. また,できれば,キックの大きさを横軸にして, 泳ぎの速さやエネルギーの効率を縦軸にして,グラフにしてみましょう.

(背泳ぎの項終わり)